【アロマセラピストが解説】アロマセラピーって効果があるの?

アロマセラピー

「アロマセラピーって効果があるの?」

と疑問を持たれている方、意外と多いのではないでしょうか?

今日は、アロマセラピーが心や身体に与える影響やそのメカニズムについて、アロマセラピストである筆者が詳しくお伝えしていきます。

アロマセラピーは、心や身体にどう働きかけるのか?

知れば知るほど、精油の小瓶を開けるのが楽しくなります。

アロマセラピーは医療ではありません。体質や体調、利用方法によっては、かえって健康を損ねる可能性もあります。必要に応じて医師や専門家に相談しながら使いましょう。筆者は、本ブログにより生じた損傷、負傷、その他事象について責任を負うことありません。

アロマセラピーには効果があるの?

まず結論からですが、アロマセラピーには様々な効果が期待できます。

ただ「効果」と言うと、「塗ったら治る」というような即効性をイメージされる方が多いのではないでしょうか?

その点アロマセラピーは、薬のような即効性は無く、穏やかに作用するのが大きな特徴です。

風邪をひいたら風邪薬、便秘には便秘薬、というような「対症療法」ではありません。

身体に負担をかけることなく、継続して使用していきながら時間をかけて身体全体の自然治癒力を高めていく自然療法なのです。

アロマセラピーの「効果」って?

アロマセラピーは、私たちの身体に次の2つの方法で働きかけます。
1.香りを嗅いで心に働きかける。
2.薬理作用を期待して身体に働きかける。

香りを嗅いで心に働きかける

まずは「心への作用」について。

誰しもが草木の香りを嗅いで、「良い香り~!」という気持ちになった経験があるでしょう。

例えば、ラベンダーの香りを想像してみてください。

一瞬にして緊張を緩め気持ちをリラックスさせてくれます。

レモンの香りを想像してみてください。

スッとリフレッシュさせてくれます。

このように、その香りを鼻から嗅ぐだけで、リラックスできたりリフレッシュできたりします

気持ちが軽くなってストレスが減る。これが、アロマセラピーの心への作用です。

薬理作用を期待して身体に働きかける

次に、「身体への作用」について。

植物は動くことができないため、自分の身を守るために、そして厳しい環境下で生き抜くために、様々な成分を自ら作り出します

苦味があれば、虫や鳥に食べられなくなります。太陽の下では、植物も紫外線対策が必要です。

このように、植物は抗菌作用や抗真菌作用など、様々な対処能力を身に着けていくのです。

この特別な成分を「フィトケミカル」と呼びます。

水虫になった時、抗真菌作用のある精油を患部に塗ると、菌の繁殖を抑え悪化を防ぐことができます。

植物が持つ成分を人間が上手に活用することで、身体のコンディションを整える助けとなるのです。

(余談)伝統的な療法としてのアロマセラピー

話が少し脱線しますが、

イギリスをはじめとする西洋の国では、アロマセラピーが長く医療として使われてきた歴史があります。

「風邪を引いた時は葱や生姜で身体を温めると良い。」私たち日本人が普段から実践している東洋の知恵と似たようなものです。

例えば、18世紀頃、まだビタミンCという成分が発見される前のこと。

イギリス海軍が、壊血病(ビタミンCの不足により起こる)に打ち勝つためにレモンを大量に発注しました。

そして20世紀、フランスの化学者が実験による火傷をランベンダーの精油で治癒させた経験から、「アロマセラピー」という言葉が使われはじめました。

このように、長い歴史の中で「この植物は〇〇に効果がある」と、人間が生活するうえで経験的に培ってきた知恵の積み重ねでもあるのです。

精油が身体に届くメカニズム

アロマセラピーは、どのように私たちの身体に入り、作用するのでしょうか。

精油は、次の3つのルートをたどって私たちの身体に取り入れられます。
1.皮膚 → 血流に乗って → 全身
2.呼吸器(肺)→ 血流に乗って → 全身
3.嗅覚 → 脳

皮膚 → 血流に乗って → 全身

精油の成分は非常に小さく、皮膚に塗ることで簡単に皮膚を介して浸透します。

浸透した精油の成分は血管に入り、血流に乗って全身の各組織や器官に運ばれ、力を発揮します。

呼吸器(肺)→ 血流に乗って → 全身

呼吸により吸い込まれた精油は肺に入り、肺胞から微量ながらも血流に入り、全身を巡りながら身体に作用します。

嗅覚 → 脳

香りを嗅ぐことで鼻から入った精油の成分は、最終的に「大脳辺縁系」へ伝えられます。

大脳辺縁系に伝えられた「匂いがする」という情報は、隣にある「視床下部」にも伝わります。

視床下部は、自律神経とホルモン分泌を調節する中枢。

自律神経を通じて内臓に影響を与えたり、ホルモン分泌に影響を与えます

例えば。
「消化促進作用」のあるブラックペッパーの香りを嗅ぐと胃がギュルと動くのを感じるのは、視床下部に届いたブラックペッパーの成分が視床下部を刺激し、自律神経を通じて胃腸に影響を与えるためなのです。

嗅覚から脳へ伝わるルートについて、こちらのブログでより詳しく説明しているので興味のある方は併せて読んでみてくださいね。

アロマセラピーが効果を発揮するための条件

「これまでたくさんの精油を購入してきたけれど、効果を感じたことが無い!」という方。

古くなって香りが損なわれたものや、似たような安い成分で代用されたものを使われていたのかもしれません。

最後に、アロマセラピーが効果を発揮するために必要な条件についてふれたいと思います。

アロマセラピーが効果を発揮するために必要な条件とは、次の二つ。
1.適切な管理のもとで栽培され、信頼のおける質の高い精油であること
2.新鮮な精油であること

適切な管理のもとで栽培され、信頼のおける質の高い精油であること

海外では薬としても使われている精油ですが、日本では現在のところ「雑貨」といて販売されているため、細かい法律や規制がありません。

ゆえに、栽培・抽出の過程で安全面が十分に考慮されていない場合や、似たような安い成分で代用されている場合も多々。

そのような商品を使っても、アロマセラピー本来のエネルギーを発揮してくれることはありません

精油を購入する際には、植物の学名、栽培方法、抽出部位、抽出方法、原産地などを確かめ、信頼のおけるブランドや店舗で購入しましょう

精油を購入する際に最低限確認したいポイントについて、こちらのブログで詳しく解説しています。是非精油を購入する前にチェックしてみてください。

新鮮な精油であること

精油は天然のもの。時間が経つにつれて起こる酸化や、成分変化を避けることはできません。

酸化した精油は皮膚への刺激が強まりますし、成分変化した精油は本来持つ素晴らしい効果を発揮することができません

精油の保存期間は、おおまかに以下のとおりです。気温や湿度などの保存環境などによっても前後するため、不安がある場合は使用を避けましょう。

・柑橘類など:開封後6か月以内
・その他の精油:12か月以内
・植物油で希釈した場合:2~3週間以内

まとめ

今日は、アロマセラピーが心や身体に与える影響やそのメカニズム、アロマセラピーの具体的な効果・効能について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

アロマセラピーは、嗅ぐだけでふわっと気持ちを軽くしてくれる、とても素晴らしいセラピーです。

アロマセラピーを実践することで自分の身体にどうプラスになるのか。その魅力を存分に知って、日々の生活にぜひ取り入れてみてください!

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